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留年工学

20230327

・危険

 危険物乙4の試験を受けに行った。笹塚駅の中央試験センター?という所だった。特に馴染みのない土地だったが、高架下に商店街のようなものが形成されており、見る分には面白い街だった。

 留年をしたので学費を稼ぐ必要があるという単純な動機である。続けられそうな深夜の仕事が少ないので、セルフスタンドを採用した。

 いくらでもググれば情報が出てくるので、わざわざ試験についての詳細を述べる必要もない気がするが、大まかに法令・基礎化学・危険物の性質に分かれる。法令は運搬や敷地などの決まりごとで、要するに暗記科目である。基礎化学は高校の理論化学が簡単になったような感じで、理解が伴えばより良いのだが、別に暗記でいい。危険物の性質は高校の有機化学が簡単になったような感じで、暗記である。

 結局面倒だったので勉強時間は5日ほどで、高校化学は飽きるほどやったので殆ど法令しかやっていない。実際の試験でもやはり法令がよくわからず、他は問題なかった。

 試験の退出が35分経過から可能で、合格点が各分野について6割なので、分かる問題だけマークして6割を超えたと思ったらそこで問題を解くのをやめた。残りは適当な数字で埋めたつもりだったのだが、見直したら法令を1つマークし忘れていた。マークズレだったらウケる。

使ったものは以下の通り

・過去問(問題は大して変わらないので古いものでいい, 自分は平成28年のものを使用, 200円)

・ネットに転がってる過去問(乙4 過去問とかでググれば出てくる, 0円)

・出願料(4800円)

・交通費(1000円)

・写真(200円)

 写真はスマホで適当に白い壁を背景に自撮りしたものをそのままアップロードしてコンビニでプリントした。証明写真を撮るにも便利な時代になったものである。試験後の手順については法令で勝手に勉強する羽目になるので、特に問題はないだろう。おれは全部忘れた。

 

・最近良かったもの

Sewerslvt 全部かっこいい。

Only You - Intence 海外の謎ミームに使われてた。かっこいい。

 

・赦し

 今年の春は父親に会いに東北に数日ほど泊まった。父親は賭け事や借金などでばつが悪くなったのが原因で、おれが3歳の時にすでに離婚している。母親とは非常に不仲だが、母方の家族とは比較的仲が良く、昔はかなりの交流があったらしい。おれの事は気掛かりらしく、学費や生活費を出したり、定期的に東京まで来て母や母方の親戚を呼んで食事をしている。

 若い頃の父親は自他ともに認める程度に落伍者で、おれが生まれた時には30代の後半であったが、いきなり仕事をやめ、蒸発して地方でフリーターをしていた。今は地方で事務職をしているらしい。子育てでは母親は相当な苦労をしたらしく、殆どパートタイムで家にはいなかった。また、母方の叔父が父親代わりに病弱なおれを病院に連れて行っていた。資金的にも厳しく、教育的リソースは乏しかったので、ずっとインターネットに向かっていた。

 そんなこんなで明らかに「悪い父親」ではあったが、数日ほどの滞在でもその語り口や行動からは、良い父親になろうとする断片だけは数え切れないほどに見つかった。おれに対する態度も、これまでに果たせなかった分まで父親として振る舞おうと努力していたように思う。そして、わざわざ年老いて弱りきった父親を罵倒する気にもならないおれは、良い息子として振る舞った。

 父親は客観的に見て迷惑な人間ではあるが、幼少期には既にいない人間だったため、心の底から憎むことはできない。実際に今の父親と会っても、悪人としての連続性は感じられなかった。日常的に暴力を振るっていたようなら話は別だろうが、いかに自分の成育に害を成していたとして、歴史上の人物に本気で恨みを抱けるだろうか。母親にそのような事を言うと、物凄い勢いでまくし立てるように過去の悪行を列挙し始める。行く先々で女を作っていた、破産した、お前を見捨てた……こういう態度もまた、おれが恨みを抱けなかった分の報いなのだと思えば、そうあるべきなのかもしれない。今更夫婦仲がどうこうと口を出しても仕方がないのだし、どちらも友人は多いようだ。それぞれの人間関係でやっていけばいい。