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留年工学

20230616

・差異

 今年かなり衝撃を受けたこととして、「靴は壊れないという認知が多数派」というものがある。大学での実験中、自分の所属している大学の実験グループは地方から上京した、それなりに明るい活力に満ちた人間が多く、実験中に集合写真を取るなど、一般的な工学部のイメージとはかけ離れていた。

 なんとなく「そろそろ靴が壊れてきて」と雑談の種に話したら、靴が壊れるという表現がやけに引っかかったらしく、靴は壊れる前にボロくなってきたら捨てるものでは?という派閥と、ワイヤー等に引っ掛かったら壊れるのではないか、という派閥に分かれ、どのみち靴がボロボロになるまで履き続けるという選択肢を想定した者はいないようだった。

 おれは子供の頃から根本的に自分の身なりに大して興味がなく、着るものすべて「着れればいい」という判断をしている。しかし、身なりにそれなりに気を遣っている人間ならば、普通は靴はボロボロになった時点でみすぼらしいから捨てるのだ。間違っても靴はボロボロになった方が足の指がグリップしやすく使いやすい、などと言ってはならない。

 靴への無関心と自閉や発達にはそれなりの因縁があると考える。よくアニメでのドジっ子は「よく転ぶ」という描写がされるが、注意欠陥だったり発達の遅れの強い人間にとっては、大して自分の着用する物に関心がないため、親が適当に買ってきたサイズもあっていない靴を履くし、自分で選ぶ時も試着などしない。手先は不器用なので、靴紐はちゃんと結べないし、ついでにかかとを踏み潰している。そんな理由からとにかくよく転ぶ。何もない所でも転ぶ。少なくとも自分はそうだった。

 ドジっ子アニメキャラクターとしては最近の作品だとDo it yourselfのせるふが記憶に新しい。あのキャラクターはあまりに注意欠陥の解像度が高いため、当事者もしくは当事者のケアをしていた側の人間によって作られていると思っている。当事者にしてはあまりに解像度が高すぎるので、やっぱりぷりん側の人間が作ったキャラなんじゃないかな……(その節はお世話になりました)。

 小中高では上履きという劣化しやすく、かかとの潰れやすさは他の追随を許さない靴が使用される。また、足を前に強く蹴り出す事によって上履きを飛ばし、飛距離を競うレクリエーションがあるが、あれはかかとが潰れなければ参加権を得られない。よくもあんな環境で学生が過ごして、階段でころんで大怪我をする、という事例が多発しないものだと思う。

 

Vtuber

 人のゲームやってるの見るのって別にそんな好きじゃないんですよね。生身の人間のゲーム実況では基本的にプレイしている人間のリアクションやそれに付随して物語性を見出す事を重視しているように思う。実際、Vtuberのコメント欄を見ると成長していて努力が目に見えるとか、感動したとか、絡みが尊いとか、まあそんな感じのコメントも多いわけだ。

 だけど、BiimRTA淫夢実況はそれと比較すると楽しみ方が投稿者個人に依拠しているわけではないから、ゲームそのものに対する思い入れや興味のある視聴者が集まりやすい。これがニュートラルなコンテンツのメリットである。特にニコニコでは、コメント機能の性質も相まって説明や補足、作品への愛への共感を存分に楽しむことができる。

 もちろん投稿者の人格に依拠する楽しみ方も理解はしているんですけど、おれはアレなので人間にそんなに興味が持てないんですね。あと、ゲームそのものへのリスペクトみたいな拘りが強く、人がゲームより前に出るタイプはあんまり好きじゃない。そのへんをうまく調和した投稿者がいたら紹介してくれると嬉しいです。

 厨ポケ狩り講座くらいエンタメに特化するとそういうの全部ぶっ飛ばして最高になるんだけど、あの時代のポケモン対戦ってある程度コアな層しか集まらなかったので、自動的にゲームへの敬意みたいな条件は満たされていた気もする。難しいですね。